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業種別ヒント14分

値上げしても客離れしない!飲食店の賢いメニュー価格改定術

お客様に納得してもらえる値上げの伝え方とは?価格改定のタイミングと、客離れを防ぐメニュー構成のコツを解説します。

原価高騰時代に「値上げできない」は経営リスク

値上げしても客離れしない!飲食店の賢いメニュー価格改定術値上げしても客離れしない!飲食店の賢いメニュー価格改定術

食材費、光熱費、人件費のトリプル高騰が飲食店を直撃しています。原価率が5%上昇すると、月商300万円の店舗で年間180万円の利益が吹き飛ぶ計算です。それでも「お客様が離れるのが怖い」と値上げをためらうオーナーは少なくありません。しかし適切な値上げは、むしろお店の価値を高める機会にもなります。今回は、客離れを防ぎながら値上げを成功させる方法をお伝えします。

値上げに対するお客様の本音

田辺さん、値上げって聞くと「お客様が来なくなるんじゃないか」って怖くなりますよね。実際のところどうなんですか?

実は、消費者の意識は大きく変わっています。ある調査では「飲食店の値上げは仕方ない」と理解を示す消費者が78%に達しています。原材料の高騰はニュースで繰り返し報道されているので、お客様も状況を理解しているんです。

78%も理解してくれているんですか!思ったより多いですね。

ただし条件があります。理解してもらえるのは「正直に伝えてくれた場合」です。こっそり値上げしてバレると、信頼を失います。「原材料費の高騰により、一部メニューの価格を改定させていただきます」と正直に告知するお店のほうが、結果的にお客様の支持を得ています。

値上げのタイミングと幅の決め方

いつ値上げするのがベストですか?やっぱり年度替わりとか?

ベストなタイミングは大きく3つあります。

  • メニューリニューアル時:新メニュー追加と同時に価格改定すると、「新しくなった」というポジティブな印象に包まれて値上げの抵抗感が薄まる
  • 季節の変わり目:季節メニューの切替時に合わせて全体の価格を調整する
  • 年始・年度替わり:「新年を機に」「4月から」という節目は値上げを受け入れやすい

値上げ幅は一度に10%以内に抑えるのが鉄則です。800円のランチを880円にするのは受け入れられますが、1,000円にすると「高くなった」という印象が強くなります。どうしても大幅な改定が必要な場合は、半年に1回ずつ段階的に上げるのが効果的です。

段階的に上げるのは賢いですね。一気に上げるとショックが大きいけど、少しずつならそこまで気にならない。

値上げと同時にやるべき「価値の追加」

値上げするだけだと「高くなった」って思われますよね。何か工夫はありますか?

非常にいい質問です。値上げのベストプラクティスは「価格を上げると同時に価値も上げる」ことです。例えば、ランチを50円値上げする代わりにミニサラダを追加する。原価20円のサラダで50円の値上げが正当化できます。お客様も「サラダが付いたから妥当」と感じます。

他にも効果的な方法があります。盛り付けを変える、器をグレードアップする、メニュー名を変える。例えば「チキンカレー」を「鹿児島県産地鶏のスパイスカレー」にリネームするだけで、お客様が感じる価値は大きく変わります。中身は同じでも、見せ方を変えることで値上げへの納得感が生まれるんです。

メニュー名の変更って面白いですね。アパレルでも「Tシャツ」より「オーガニックコットンクルーネック」のほうが高く売れました。言葉の力って大きい。

松竹梅の価格設計で客単価を上げる

値上げと合わせておすすめしたいのが「松竹梅の3段階価格設計」です。人間の心理として、3つの選択肢があると真ん中を選びやすい傾向があります。これを利用して、竹コースの価格を値上げ後の狙い目に設定するんです。

具体的にはどういうことですか?

例えば、今までランチ定食850円の一択だったとします。これを梅800円、竹1,000円、松1,300円の3コースに分ける。梅はご飯・味噌汁・メインだけのシンプル版、竹は小鉢と漬物付き、松はデザートまでフルセット。すると多くのお客様が竹の1,000円を選ぶので、実質的に客単価が150円アップします。

なるほど!単純に値上げするんじゃなく、選択肢を増やすことで自然に客単価が上がる仕組みなんですね。

しかも梅コースがあることで「安いメニューもある」という安心感も与えられます。価格に敏感なお客様も離れにくくなるんです。

値上げの告知方法

値上げを決めたら、どうやってお客様に伝えればいいですか?

告知は2週間前から3段階で行うのがおすすめです。まず店内掲示で常連さんに直接伝える。次にLINE配信で「いつもありがとうございます。原材料費高騰に伴い…」と丁寧に説明する。そして値上げ当日は「本日より新価格・新メニューでお届けします」とポジティブなトーンで告知する。

ToolsBoxのLINE配信機能を使えば、この段階的な告知をシナリオとして一度設定するだけで自動的に配信できます。常連さんには感謝の気持ちとともに改定日前の「最後の旧価格ランチ」クーポンを配布するのも、好印象を残すテクニックです。

まとめ:値上げは経営者の責任であり勇気

値上げをためらって利益が出ない経営を続けると、サービスの質が落ち、結局はお客様に迷惑をかけることになります。適切な値上げは、お店の品質とスタッフの待遇を守るための経営判断です。正直な告知、価値の追加、松竹梅の価格設計。この3つを実践すれば、客離れを最小限に抑えながら、健全な経営基盤を築くことができます。

田辺一雄

田辺一雄

株式会社エムディエス代表取締役 / ToolsBox代表。起業25年目。日本商工会議所青年部 元副会長・元広報委員長。FM福井ハイライトフライデー「教えてたなっちなかっち」出演中。中小企業のLINE公式アカウント活用やマーケティング自動化を支援しています。

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