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マーケティング15分

売上予測で在庫ロスゼロ!初心者でもできる需要予測入門

過去データから未来を読む。エクセルでもできる簡単な需要予測から始めて、在庫ロスを50%削減する実践的手法を紹介。

在庫が余る、在庫が足りない──その悩みは「勘」に頼っているから

売上予測で在庫ロスゼロを実現する需要予測入門の図解売上予測で在庫ロスゼロを実現する需要予測入門の図解

小売店や飲食店の経営者にとって、在庫管理は永遠の課題です。多く仕入れれば廃棄ロスが出る。少なく仕入れれば機会損失が発生する。多くの経営者がこのジレンマに苦しみながら、結局は「勘と経験」で発注量を決めているのが実情です。しかし、過去のデータを正しく活用すれば、驚くほど精度の高い需要予測が可能になります。しかもそれは大企業の専売特許ではなく、エクセルレベルのツールでも十分実践できるのです。

なぜ需要予測が必要なのか

田辺さん、需要予測って言うと何か難しそうに聞こえますけど、実際どれくらい効果があるんですか?

数字で言えば、適切な需要予測を導入した企業は在庫ロスを30〜50%削減しています。飲食店の食材廃棄、アパレルのシーズン落ち在庫、小売店の売れ残り──これらは全て「予測精度の低さ」が原因です。逆に言えば予測精度を上げるだけで、その分がそのまま利益になるんです。

アパレル時代、シーズン終わりのセールで赤字覚悟で売りさばいてたのを思い出します。あれが減るなら確かに大きいですね。

その通りです。しかも需要予測のメリットは在庫ロスの削減だけじゃない。「いつ何が売れるか」が分かれば、仕入れの最適化、スタッフのシフト計画、キャンペーンのタイミングまで全てが改善されます。経営の意思決定の質が根本から変わるんです。

需要予測に必要な3つのデータ

雑貨店でLINEと売上データを活用して需要予測を行う店員のイメージ雑貨店でLINEと売上データを活用して需要予測を行う店員のイメージ

需要予測を始めるには、どんなデータが必要なんですか?うちみたいな小さなお店でも集められるものですか?

必要なデータは大きく3つです。1つ目は「売上データ」。日別、商品別の売上数量と金額。POSデータがあればベストですが、エクセルの手入力でも構いません。最低3カ月分、できれば1年分あると精度が上がります。

2つ目は「カレンダー情報」。曜日、祝日、イベント、季節。飲食店なら「金曜日は来客が多い」「お盆は少ない」など、曜日や時期による変動パターンがあるはずです。3つ目は「外部要因データ」。天気、近隣のイベント、競合の動きなど。これは最初は省略しても大丈夫ですが、慣れてきたら加えるとさらに精度が上がります。

エクセルで始める需要予測の基本手法

高度なAIツールがなくても、エクセルだけで実践できる需要予測の基本手法を紹介します。

エクセルでもできるんですか?それなら私でもできそうです。

もちろんです。最も基本的な手法は「移動平均法」です。過去4週間の同じ曜日の売上を平均するだけ。例えば月曜日の売上が過去4週間で100、120、90、110だったら、来週の月曜日は(100+120+90+110)÷4=105と予測する。これだけでも勘よりはるかに精度が高くなります。

もう一歩進めるなら「季節指数法」を使います。月ごとの売上を年間平均で割って季節指数を算出し、来月の予測に掛け合わせる。例えば12月の指数が1.3なら「平均より30%売れる」と予測できます。これを商品カテゴリごとに計算すれば、かなり使える予測になりますよ。

予測データを実務に活かす方法

予測ができたとして、それをどう実務に落とし込むんですか?

まず発注量の最適化です。予測売上数量に「安全在庫」として10〜20%を上乗せした数量を発注する。これだけで在庫切れリスクを抑えつつ、過剰在庫も防げます。次にキャンペーンのタイミング。売上が落ちる時期が事前に分かれば、そのタイミングでセールやクーポン配信を仕掛けられます。

ここでLINE活用が効いてきます。ToolsBoxのセグメント配信機能を使えば、需要が落ちるタイミングで特定の顧客層にピンポイントでクーポンを配信できます。全員に一律値引きするのではなく、離脱リスクの高い顧客だけにアプローチすることで、利益率を維持しながら売上の谷を埋められるんです。

予測データとLINE配信を組み合わせるんですね。それは思いつかなかったです。

需要予測の精度を上げる3つのコツ

  • 異常値を除外する:台風で臨時休業した日や、メディア露出で異常に売れた日のデータは除外すること。平常時のパターンを把握することが目的です
  • 振り返りを週次で行う:予測と実績の差を毎週チェックし、予測モデルの精度を改善し続ける
  • 複数商品を一括で管理しない:商品カテゴリごとに需要パターンは異なるので、少なくとも主力商品5つは個別に予測する

特に大事なのは「振り返り」です。予測が当たったか外れたかを毎週チェックする。外れた原因を分析する。これを繰り返すと、3カ月後には勘で判断していた頃とは比べものにならない精度が出せるようになります。

PDCAを回すってことですね。最初から完璧じゃなくていいのは安心します。

はい。需要予測の精度は「始めること」と「続けること」で決まります。最初の1週間は当たらなくて当然。でも2カ月続ければ確実に精度は上がります。まずは売れ筋商品3つの過去3カ月の日別売上をエクセルに入力するところから始めてみてください。

エクセルに入力するだけなら今日からでもできますね。まずは第一歩を踏み出してみます。

需要予測は大企業だけのものではありません。手元のデータを「見える化」するだけで、経営判断の精度は格段に上がります。在庫ロスという目に見えにくいコストを削減し、利益率を改善する第一歩として、ぜひ今日から取り組んでみてください。

田辺一雄

田辺一雄

株式会社エムディエス代表取締役 / ToolsBox代表。起業25年目。日本商工会議所青年部 元副会長・元広報委員長。FM福井ハイライトフライデー「教えてたなっちなかっち」出演中。中小企業のLINE公式アカウント活用やマーケティング自動化を支援しています。

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