一人ひとりに響く!パーソナライズマーケティングの始め方
顧客一人ひとりに最適化されたマーケティングの実践方法を解説。データ収集から配信内容のカスタマイズまで、具体的な手法を紹介。
「全員に同じメッセージ」ではもう売れない時代
一人ひとりに響くパーソナライズマーケティングの始め方を解説するイラスト
メルマガやLINEで一斉配信をしても、開封率は下がる一方。ブロック率は上がる一方。その原因の多くは、「自分に関係ないメッセージが届く」という顧客の不満にあります。パーソナライズマーケティングは、一人ひとりの興味・関心・行動履歴に合わせてコミュニケーションを最適化する手法です。
パーソナライズとは「おもてなし」のデジタル版
パーソナライズマーケティングって、なんだか難しそうなイメージがあるんですけど。大企業がビッグデータを使ってやるようなことですよね?
実はそんなに難しいことじゃないんです。倉内さん、アパレルの店長をしていた頃、常連のお客さんが来たらどうしていました?
あ、そのお客さんの好みに合いそうな新作を用意しておいたり、前回買ったアイテムに合わせやすい小物を提案したりしてましたね。
それがまさにパーソナライズです。「この人が何を好きで、何を求めていて、次に何を提案すれば喜ぶか」を考えて対応する。店頭では自然にやっていたことを、デジタルの世界でも実現しようというのがパーソナライズマーケティングなんです。
パーソナライズに必要なデータの集め方
でもオンラインだとお客さんの顔が見えないから、好みとか分からなくないですか?
だからこそデータを集める仕組みが必要なんです。大きく分けて3種類のデータを集めます。1つ目は属性データ。年齢、性別、住所、職業など基本的な情報。2つ目は行動データ。どのページを見たか、どのメッセージを開封したか、何を購入したか。3つ目は嗜好データ。アンケートやリッチメニューのタップ履歴から分かる興味・関心です。
3種類もあるんですね。全部集めるのは大変そう…。
一度に全部集める必要はありません。LINE登録時のアンケートで属性データを、日々のメッセージ配信で行動データを、リッチメニューのタップで嗜好データを、少しずつ蓄積していくのが現実的です。ToolsBoxなら、これらのデータを自動でタグとして蓄積して、セグメント配信に活用できます。
セグメント配信の基本パターン4選
データが集まったら、セグメントに分けて配信内容を変えていきます。効果が高い基本パターンを紹介します。
- 購入履歴別:過去に購入した商品カテゴリに関連する新商品を案内
- 来店頻度別:月2回以上の常連客にはVIP特典、3ヶ月来店なしの休眠客には復帰クーポンを送信
- 興味関心別:アンケートで「ダイエットに興味あり」と回答した人にはダイエット関連情報を優先配信
- ライフステージ別:登録からの経過日数に応じて、初心者向け→中級者向け→常連向けと内容を変える
来店頻度別って具体的にどうやるんですか?常連のお客さんと、しばらく来ていないお客さんでは、送るメッセージが全然違いますよね。
その通りです。例えば常連の方には「いつもありがとうございます。今週末限定のシークレットメニューをご用意しました」、休眠客には「お久しぶりです!リニューアルした新メニューをぜひお試しください。復帰特典として20%OFFクーポンをプレゼント」と、まったく異なるアプローチをします。
なるほど、お客さんの状態によってメッセージを変えるから「自分に合った情報が届く」って感じるんですね。
パーソナライズで気をつけるべきポイント
ただし注意点もあります。パーソナライズが「気持ち悪い」と感じられるラインがあるんです。例えば「昨日○○のページを3分間見ていましたね」みたいなメッセージは、たとえデータとして持っていても絶対にやってはいけません。
それは怖いですね…。ストーカーみたいで。
ポイントは「自然な提案」に見せることです。「あなたにおすすめの新商品です」はOK。「あなたが先週検索していた商品と似た商品です」はアウト。お客さんが「なぜこれを勧めてくれるんだろう?」と考えたときに、自然に納得できる理由がある範囲でパーソナライズするのが大切です。
小さく始めるパーソナライズ3ステップ
パーソナライズの重要性は分かったんですけど、何から始めればいいですか?いきなり全部やるのは無理ですよね。
3ステップで段階的に始めましょう。ステップ1は「名前の差し込み」。LINEのメッセージにお客さんの名前を入れるだけで、開封率は平均10〜15%上がります。ステップ2は「2分割配信」。全員一斉ではなく、まずは「来店あり」「来店なし」の2つに分けて配信する。ステップ3は「シナリオ配信」。LINE登録からの日数に応じて自動でメッセージを送る。この3ステップだけでも、配信の効果は劇的に変わりますよ。
名前を入れるだけで開封率が上がるんですか!それならすぐにできそう。
人は自分の名前に無意識に反応する心理があるんです。「お客様へ」と「倉内さんへ」では、どちらのメッセージを開きたくなりますか?
断然「倉内さんへ」のほうですね。納得です。
まとめ:パーソナライズは「一人のお客さんを大切にする」ということ
パーソナライズマーケティングは、テクノロジーの話ではなく「一人ひとりのお客さんを大切にする」という商売の基本に立ち返ることです。かつて街の商店主がお得意様の好みを覚えていたように、デジタルの力を使って一人ひとりに合ったコミュニケーションを実現する。それがパーソナライズマーケティングの本質です。まずは次の配信で、お客さんの名前を入れることから始めてみてください。
田辺一雄
株式会社エムディエス代表取締役 / ToolsBox代表。起業25年目。日本商工会議所青年部 元副会長・元広報委員長。FM福井ハイライトフライデー「教えてたなっちなかっち」出演中。中小企業のLINE公式アカウント活用やマーケティング自動化を支援しています。
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