値上げしても売れ続ける!ケーキ屋の戦略的価格設定ガイド
原材料高騰でも利益を確保する価格戦略とは?競合分析から付加価値の伝え方まで、ケーキ屋の価格設定を成功させる方法を解説。
原材料費は上がる一方、でも値上げが怖い
値上げしても売れ続ける!ケーキ屋の戦略的価格設定ガイド
バター、生クリーム、小麦粉、卵——ケーキの原材料費はここ数年で大幅に高騰しています。にもかかわらず、多くのケーキ屋さんは「値上げしたらお客様が離れるのでは」という恐怖から、利益率が下がっても価格を据え置いているのが現状です。しかし、正しい方法で値上げを行えば、お客様の離反を最小限に抑えながら適正な利益を確保できます。
値上げで失敗するケーキ屋の共通点
田辺さん、値上げってやっぱり怖いですよね。アパレル時代も価格改定は慎重に進めてましたけど、ケーキ屋さんだと特に敏感な気がします。
確かに食品は価格に敏感なお客様が多いです。ただ、値上げで失敗するケーキ屋さんには共通点があって、それは「何の前触れもなく突然値上げする」パターンです。ある日突然ショーケースの値札が変わっていると、お客様は裏切られたように感じてしまう。
なるほど。事前に告知することが大事なんですね。
その通りです。値上げが成功するケーキ屋さんは必ず3つのステップを踏んでいます。1つ目は「値上げの理由を正直に伝える」、2つ目は「値上げと同時に付加価値を加える」、3つ目は「値上げ前に既存客に先行告知する」です。
適正価格の決め方:原価率30%の法則
そもそもケーキの適正価格ってどうやって決めるんですか?原価率の目安はありますか?
ケーキ屋の原価率は一般的に25〜35%が適正と言われています。ただし、これは商品によって大きく異なります。生デコレーションケーキは原価率が高くなりがちですが、焼き菓子は原価率を低く抑えられます。重要なのは商品ごとの原価率を把握して、トータルで30%前後に収まるようにすることです。
- デコレーションケーキ:原価率30〜40%(利幅は薄いが集客力がある)
- ショートケーキ・カットケーキ:原価率25〜35%(客数を稼ぐ主力商品)
- 焼き菓子・ギフトセット:原価率15〜25%(利益率が高い)
- ドリンク(テイクアウト):原価率10〜20%(最も利益率が高い)
焼き菓子の原価率がそんなに低いとは知りませんでした。ギフトセットを充実させれば利益改善になりそうですね。
はい。実は値上げだけが利益改善の方法ではなくて、利益率の高い商品の売上構成比を上げるのも立派な価格戦略です。ギフトセットをショーケースの目立つ位置に置いたり、レジ横に焼き菓子の単品を並べたりするだけで、自然と高利益商品が売れるようになります。
値上げを告知するベストな方法
値上げを事前告知するとして、どんな方法で伝えるのが良いですか?店頭のPOPだけだと見ない人も多そうですが。
最も効果的なのは複数チャネルでの告知です。具体的には、値上げの1ヶ月前にメルマガとLINEで「大切なお知らせ」として配信し、同時に店頭にもPOPを掲出する。ToolsBoxなら、LINEのセグメント配信で常連のお客様にだけ先行告知することもできます。
常連さんへの先行告知って良いですね!「あなただからお先にお伝えします」という特別感がありますもんね。
そうなんです。さらに告知する際は、値上げの理由と、お客様へのメリットを必ず伝えてください。「原材料費の高騰に伴い、一部商品の価格を改定させていただきます。その分、より良い素材を使い、味のグレードアップを図ります」というように。理由なき値上げはお客様の不信感を招きます。
値上げと同時にやるべき3つの施策
値上げと同時に何かやった方が良いことはありますか?
はい、3つの施策を値上げと同時に実施するのがおすすめです。
- 新商品の投入:値上げと同時に新しい商品を出すことで、話題を値上げではなく新商品に向ける
- ポイントカード・スタンプカードの導入:「10個買ったら1個無料」のような還元策で値上げの心理的負担を軽減
- パッケージの刷新:箱や紙袋のデザインを新しくすることで「リニューアル感」を演出し、価格に見合う印象を与える
パッケージの刷新はアパレルでもよく使うテクニックです!タグやショッパーが変わると「なんか良くなった感」が出るんですよね。
まさにそれです。人は「変化」に対してお金を払う心理があります。同じショートケーキが50円高くなっても、箱がおしゃれになり、新商品も出ていれば「お店が進化した」と感じてもらえる。値上げではなくリニューアルとして受け取ってもらえるわけです。
競合店との価格比較の落とし穴
近くのケーキ屋さんと比べて価格を決めるのはアリですか?
競合の価格を参考にするのは大事ですが、安売り競争に巻き込まれないことが重要です。近隣のスーパーやコンビニのケーキと価格を比較するのはナンセンスです。あなたのお店が提供しているのは手作りの品質と体験であって、量産品とは別物。競合は同じ商圏の個人ケーキ店やパティスリーに絞って比較してください。
まとめ:適正価格で長く続くお店に
値上げを恐れて利益を削り続けると、最終的にはお店の存続そのものが危うくなります。適正価格でしっかり利益を確保し、その分をお客様への価値還元に回す。これこそが長く愛されるケーキ屋の価格戦略です。ToolsBoxのセグメント配信やLINEでの事前告知機能を活用すれば、値上げのコミュニケーションもスムーズに行えます。まずは商品ごとの原価率を計算するところから始めてみてください。
田辺一雄
株式会社エムディエス代表取締役 / ToolsBox代表。起業25年目。日本商工会議所青年部 元副会長・元広報委員長。FM福井ハイライトフライデー「教えてたなっちなかっち」出演中。中小企業のLINE公式アカウント活用やマーケティング自動化を支援しています。
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