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利益率10%改善!パン屋の原価管理で無駄をなくす7つの方法

材料費の見直しから廃棄ロス削減まで、パン屋の利益率を確実に上げる原価管理術を紹介。すぐに実践できる具体的な方法を解説します。

パン屋の利益率はなぜ低くなりやすいのか

利益率10%改善!パン屋の原価管理で無駄をなくす7つの方法利益率10%改善!パン屋の原価管理で無駄をなくす7つの方法

パン屋の経営で最も見落とされがちなのが原価管理です。「売上は伸びているのに、手元にお金が残らない」という悩みを持つオーナーは少なくありません。パン屋の平均原価率は35〜40%と言われていますが、適切な管理をすれば30%以下に抑えることも可能です。今回は、利益率を確実に改善するための7つの方法を具体的にお伝えします。

まずは現状を「見える化」する

田辺さん、パン屋さんの原価管理って具体的に何から始めればいいんですか?「なんとなく材料費が高い気がする」という感覚だけで動いているお店が多い印象があります。

その「なんとなく」が一番危険なんです。最初にやるべきは全商品の原価を1個単位で計算することです。食パン1斤あたり、あんぱん1個あたり、クロワッサン1個あたり…すべて正確に出す。これをやっていないお店が驚くほど多いです。

1個単位で出すのは手間がかかりそうですが、それをやらないと始まらないということですね。

その通りです。最初だけ時間がかかりますが、一度やれば定期的な更新だけで済みます。計算してみると、「売れ筋だと思っていた商品が実は利益率が低かった」というケースがよく出てきます。逆に、あまり注目していなかった商品が高利益率だったりします。

方法1:仕入れ先の見直しと交渉

原価を下げるとなると、まず材料費の見直しですか?

はい。ただし「安い材料に変える」という意味ではありません。同じ品質の材料をより良い条件で仕入れることが重要です。具体的には3つのアプローチがあります。

  • 複数の仕入れ先から見積もりを取る:現在の仕入れ先が必ずしも最安とは限らない
  • まとめ買い割引を交渉する:月間の発注量をまとめることで5〜10%の割引が可能な場合がある
  • 近隣のパン屋と共同仕入れ:同業者と協力してロット数を増やし、単価を下げる

共同仕入れは面白いですね。競合するお店同士でも、仕入れに関しては協力できるわけですか。

そうです。特に小麦粉やバターなど大量に使う基本材料は、共同仕入れの効果が大きい。実際に地方のパン屋4店舗で共同仕入れグループを作り、小麦粉の単価を8%下げた事例があります。

方法2:廃棄ロスの削減

パン屋さんの廃棄ロスってどのくらいあるものなんですか?

一般的なパン屋では、売上の5〜10%が廃棄ロスになっています。月商200万円のお店なら、毎月10〜20万円分のパンを捨てている計算です。これを半分に減らすだけで、年間60〜120万円の利益改善になります。

すごい金額ですね…。具体的にどうやって減らすんですか?

まず「何が・いつ・どのくらい廃棄されているか」を記録します。2週間つけるだけでパターンが見えてきます。曜日や天候による変動も把握できる。そして、廃棄率の高い商品は製造量を減らすか、販売方法を変えるか、思い切って終売するかを判断します。

方法3:製造計画の精度を上げる

廃棄の根本原因は「作りすぎ」です。天気予報、曜日、近隣のイベント情報を考慮して、日ごとの製造量を調整しましょう。雨の日は来店客数が20〜30%減ることが多いので、製造量もそれに合わせて減らします。

天気予報で製造量を変えるのは理にかなっていますね。でも、少なく作りすぎて品切れになるのも困りますよね?

そこで役立つのが販売データの蓄積です。3ヶ月分のデータがあれば、かなり正確な予測ができるようになります。「火曜日の雨の日は食パンが◯本、あんぱんが◯個」というように。LINEの友だち数やアクティブユーザー数の推移も参考になります。ToolsBoxのダッシュボードで確認できるお客様の行動データを、製造計画に活かしているお店もありますよ。

方法4〜7:さらに利益率を高める施策

残りの4つの方法もご紹介します。

  • 方法4:高利益率商品の販売強化 — 原価率の低いドリンクやジャムなどの周辺商品を充実させる
  • 方法5:セット販売の導入 — パン3個セット・コーヒーとのセットなど、客単価を上げる工夫
  • 方法6:閉店間際のタイムセール — 廃棄するよりも割引で売り切る(ただし常態化は避ける)
  • 方法7:冷凍生地の活用 — 仕込み量を調整しやすく、廃棄リスクを減らせる

セット販売は効果ありそうですね。アパレルでも「コーディネートセット」で客単価が上がっていました。

パン屋のセット販売は本当に効果的です。例えば、「朝食セット(食パン+ジャム+コーヒー豆)」を1,200円で販売する。個別に買うと1,500円のところを1,200円にすれば、お客様にはお得感があり、お店側は客単価が上がります。原価率の低いジャムやコーヒー豆を組み合わせることで、セット全体の利益率も確保できます。

タイムセールは常態化を避けるべきというのは、安売りのイメージがつくからですか?

そうです。毎日タイムセールをやると、お客様が「夕方まで待てば安くなる」と学習してしまい、通常時間帯の売上が落ちます。やるなら週に1〜2回に限定し、「雨の日限定セール」など条件を付けるのがコツです。このセール告知もLINEで行えば、通知を見たお客様がわざわざ来店してくれます。

まとめ:利益率改善の7つの方法

  • 全商品の原価計算で現状を把握する
  • 仕入れ先の見直しで材料費を適正化する
  • 廃棄ロスを記録し半減を目指す
  • 製造計画の精度を上げて作りすぎを防ぐ
  • 高利益率商品を育てる
  • セット販売で客単価を上げる
  • 冷凍生地で在庫リスクを減らす

原価管理は地味な作業ですが、売上を1%伸ばすより原価を1%下げる方が利益への影響は大きいです。まずは全商品の原価計算から始めてみてください。

田辺一雄

田辺一雄

株式会社エムディエス代表取締役 / ToolsBox代表。起業25年目。日本商工会議所青年部 元副会長・元広報委員長。FM福井ハイライトフライデー「教えてたなっちなかっち」出演中。中小企業のLINE公式アカウント活用やマーケティング自動化を支援しています。

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